OSAMU

Posted on 2015年10月24日 Under Youtube

今回は少しメランコリックなモティーフを使って、太宰治の世界観を表現してみました。タイトルもそのまま「OSAMU」です。

太宰治と言えば、高校の頃芥川龍之介などと一緒に読んだのですが、へえ、こんな生き方もあるのかと思ったものです。
なんというか、よく生きることは至上の生き方なのかもわからないけれど、何をよしとするか、よしとするにはどうしたらいいのか、そういう葛藤の中で見えてくるもの、変わるもの変わらないもの、人生とはそういう問答の中にしか成り立たないような気もします。

大人になって「愛に生きる言葉」という所謂太宰の名言を小説の文中から抜粋したものを購入しました。
するとあの時とはまた違った太宰の姿が見えました。
おぼろげにわかるようになったことも少々あります。
退廃的だけれどとても美しい、一種の中毒のような魅力があることに気づきました。
そしてこの曲を創るに至りました。

タイトルは前述のように「OSAMU」とシンプルにつけました。
調性はト短調。重い調ですがある種の輝きを持っている調です。
モティーフは極めてシンプルに、中間部は即興要素を多く取り入れました。
ひたすらモティーフを繰り返す形式ですが、アレンジを要所要所に入れて、変化と統一の中で遊んでいます。

最後はこと切れるように、物語が終わりを閉じるように、太宰の最期のように、表現したつもりです。
不器用だけれど愛に生きた人、太宰。
その視点で人生を見つめ続けた人、太宰。
本当はチャーミングでとても粋な人、太宰。

私なりの太宰治の世界を楽しんでいただけましたら本望です。